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平成30年9月18日
テーマ 宅建業新規 不動産会社設立
宅建業の免許を新規で取得しようとした場合、法人化して会社で免許を取得する場合と個人事業で免許を取得する場合、どちらがよいのでしょうか?
会社を設立すると、信用、税金面などのメリットが得られる反面、社会保険の加入義務や事務費用の負担の増加などのデメリットがあります。
また、宅建業に限りませんが、営業の許認可を法人の場合は経営者が変わっても引き継ぐことができますが、個人事業の場合には、新規で再度取得しなければなりません。
営業許可が関係ない業種であれば、個人事業で始めて軌道に乗ってきたら法人化するという手段も取れますが、宅建業の場合には、免許の再取得の問題が出てきてしまいます。
ちなみに愛知県で平成29年に免許を取得した業者の内、9割近くが法人で取得をしています。
各種の特徴を比較すると
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項目 |
会社 |
個人事業 |
信用度 |
高い |
低い |
税金の負担 |
一定 |
所得に応じて |
責任 |
有限 |
無限 |
社会保険の加入 |
必要 |
5名未満は任意 |
事務費の負担 |
多い |
少ない |
設立費用 |
約25万円 |
0円 |
経営の自由度 |
低い |
高い |
免許の引き継ぎ |
可 |
不可 |
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法人と個人の1番の違いは信用度の高さです。
会社の方が、規模が大きそう、しっかりとしてそう、というイメージがなんとなくあるかと思います。
実際にお客の立場としては、「○○不動産」よりも「株式会社○○不動産」の方が安心できるという人が多いのではないでしょうか。
また、取引先としても個人事業者とは取引をしない、というところもあります。
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法人の所得に課せられる法人税は基本的には会社の規模、利益の大小にかかわらず23.4%と一律です(平成30年現在)。
これが個人事業の場合ですと、所得に応じて最大40%にもなります。
つまり、所得が少ない場合には、個人事業の方が税金が少なくて済みますが、ある程度、利益が出てくると法人化した方が、税金が少なくて済みます。
そのため、通常はある程度利益が出てきた段階で、法人化を検討する人が多くいます。
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例えば、株式会社の場合には、出資者である株主は、会社が負債を抱えて倒産した場合でも、出資金をあきらめればそれ以上責任を問われることはありません。
これに対し、個人事業者の場合には、事業者が全責任を負いますので、負債を抱えて廃業した場合には、事業者個人が全額責任を負わなくてはなりません。
また、日本政策金融公庫の創業融資は、個人事業者の場合には、代表者個人が借主になる必要がありますが、法人の場合には、会社が借主になり、代表者個人は連帯保証も不要です。
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法人は社会保険の加入が義務となっています。
そのため、代表者を含め従業員を雇う場合には、健康保険や厚生年金などの加入の義務が課せられます。
宅建免許の場合でも、常勤を証明する書類として健康保険証のコピーの提出が求められます。
これに対し、個人事業者の場合には、従業員の数が5名未満の場合には、社会保険の加入義務はありません。
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個人事業者の場合には、確定申告などの事務手続きは自分でできないこともないですが、会社の税務申告などは複雑で税理士を雇わないとなかなか個人ではすることはできません。
また、会社の所在地、役員など会社の登記簿に記載されている事項に変更がある時は、法務局へ変更登記をしなければなりません。登記の際には、登録免許税という税金が課されますし、司法書士に頼めば報酬がかかります。
こうした事務費用の負担は会社の方が重くなります。
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会社の設立費用は株式会社で約25万円、合同会社でも10万円はかかります。
司法書士へ登記の依頼をすればさらに報酬も発生します。
個人事業者には、当然、こういった設立費用はかかりません。
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会社の場合には、株主総会の設置や、役員の選任、代表者の給与、配当の方法など細かく法律で規定されているものがあります。
これに対し、個人事業者の場合には、そういった規制はほとんどなく、代表者が自由に経営をすることができます。
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宅建業者が法人化する1番の理由はこの宅建免許の引き継ぎの問題ではないでしょうか。
この引き継ぎの問題が無ければもう少し個人で取得される方も多いのではないかと思います。
宅建業に限らず、各種許認可は個人事業で免許を取得すると、その取得した免許を他人が引き継ぐことはできません。
仮に代表者の相続人であって、その事業をそのまま引き継いだ場合であっても、免許を継続することはできません。
そのため、代表者が突然亡くなってしまったり、病気で働けなくなった場合には、営業できなくなり、家族や従業員は路頭に迷ってしまいます。
また、一旦、個人事業で免許を取得後、法人化した場合には、免許を新規で再度取得する必要があります。
この場合の免許の番号は、引き継ぐことはできず再度、(1)からスタートします。この免許の番号が宅建業者にとっては信用の1つであったりしますので、思いのほかダメージは大きいかと思います。
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いかがでしょうか?
個人的には、先々のことを考えると、会社で取得した方がよいのではないかと思います。
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