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平成31年1月8日
テーマ 宅建業新規
先月、宅地建物取引士試験の合格発表があった関係でこの時期は特に多くのご相談を頂きます。
「すぐにでも開業したい」、というご相談から、「不動産業って何をするの?」という基本的なご相談、「専任の宅地建物取引士になってくれる人を紹介して欲しい」などなど、様々なお問い合わせを頂きます(ちなみにご紹介はしておりません)。
しかし、お問い合わせをいただいた中で、実際に免許取得までたどりつく方は実は少数派です。その後、宅建業者名簿にも名前はおみかけしないので、免許取得を断念されていると思われます。
免許の取得を断念するケースで1番多いのが、ご自身で考えていた事務所が事務所の要件を満たしていない場合です。
新しく事務所を構えたり、事務所を移転してまでの開業は考えらない、ということかと思います。
事務所の条件は最近提出する書類が増えたりと以前より審査が厳しくなっているような感じがします。
今回は、事務所の条件に適さなかったケースをご紹介します(愛知県の場合です)。
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1番多いケースですが、不動産業を始める際に新しく別会社を立ち上げその会社で免許を取得する場合です。
別会社といっても登記簿上の話しで、実際には、今の既存の会社と同じ場所で従業員も全く同じです。
節税やブランディングなどのためにあえて別会社を作るのはよくあるケースではありますが、この場合ですと、免許の条件である独立した事務所という要件を満たしていないことになります。
宅建業の事務所は独立性が求められ他の会社との共同オフィスは原則認められません。
固定式のパーテーションなどで1室を完全に区切ってしまう方法もありますが、条件も厳しく、パーテーションや机、内装工事費など余計なお金もかかり、内部も迷路みたいになってしまうので、新しく事務所を借りてしまった方が手っ取り早いくらいです。
そのため、このようなケースでは既存の会社で免許を取得するか、新しい場所に事務所を借りるという方法が現実的です。
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「独立後、軌道に乗るまでは自宅を事務所として使用したい」、「紹介のお客のみを対象とするつもりなので事務所にお金をかけたくない」、などの理由で自宅を事務所とされる方もいらっしゃいます。
ただし、自宅を事務所として使用する場合は、居住空間を通らずに事務所に行けること、壁で明確に仕切られていること、などなど厳しい条件があります。
玄関からではなく、裏の勝手口から、もしくは掃き出し窓から入る、という場合は認められません。
この場合には、自宅の中で事務所要件に適した部屋を使用する、もしくは条件に合った事務所を借りる、ということになります。
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既存の会社で免許を取得するつもりではあるが、今の事務所は集客が見込める場所にはないので、不動産業を始めるために新たに目立つ場所に事務所を借りてスタートしたい、という場合があります。
この場合、新たに設置する事務所は支店の扱いとなります。
本店と支店がある場合には、本支店両方共に宅建業の免許の条件を満たしている必要があります。
そのため、本支店両方とも事務所要件を満たす必要があるほか、専任の宅地建物取引士も両方に設置しなければなりません。仮に、本店では不動産業を一切しない場合でもそのような事情は原則認められません。
これに対し、支店は不動産業を行わない場合には、宅建業免許の条件を満たす必要がありません。
このようなケースでは、新たな事務所の方を本店とする、もしくは新しい会社を立ち上げて免許を取得することになります。
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飲食店や小売店などを経営していて新たに不動産業を始めるケースも多くあります。
この場合、飲食店や小売店の店舗は支店と同様の扱いになります。
この場合、問題となるのは事務所として使用する場所が店舗の奥にあり、店舗内を通過しないと事務所に入れない場合です。
入口が2カ所あり、事務所は店舗とは別の入口から入ることが可能であるならば、問題はありませんが、店舗を通過するしか方法がない場合には、事務所の要件は満たしません。
パーテーションなどで区切ってしまうことはできないことはないですが、あまり現実的ではないため、他に適した事務所を準備するしかありません。
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いかがでしょうか?
事務所は宅建免許の取得上、最も重要なポイントの1つです。宅建業の免許の取得をお考えの場合には、事前に管轄の都道府県にご相談の上、始められるのをおすすめします。
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