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営業保証金の供託と保証協会への加入はどちらがいいか? |
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平成30年6月22日
テーマ 宅建業新規
宅建業の免許を新規で取得しようとする場合には、営業保証金を法務局へ供託するか、保証協会への加入が義務付けられています。
営業保証金とは、不動産取引で相手方が損失を受けた場合に、その損失の弁済を担保するためにあらかじめ法務局へ預けておくお金で、宅地建物取引業法に規定されています。
保証協会は宅地建物取引業保証協会と不動産保証協会の2つの保証協会があり、どちらへ加入しても構いません。この保証協会へ加入し、弁済業務保証金分担金を納付することで、営業保証金の代わりとすることができます。
営業保証金は1,000万円かかるのに対し、保証協会への加入は180〜200万円程(内、弁済業務保証金分担金は60万円)で済むため、ほとんどの方は保証協会への加入を選択します。
しかし、もともと会社を経営していて、新規事業として不動産業に参入される方などは、資金的には問題ない場合もあり、営業保証金の供託を検討される方もいます。
では、営業保証金の供託と保証協会への加入はどちらがよいのでしょうか?
各手続きの特徴をまとめると以下の通りです。
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1.営業保証金は高額
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営業保証金は、本店で1,000万円、支店で1店舗500万円かかります。
当然のことながら、不動産業を営んでいる間はこの保証金を自由に使うことはできません。
また、不動産取引で損害が発生した場合には、この供託金が差押えられる可能性があります。
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2.会費などのコストはかからない
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保証協会へ加入すると毎年5〜6万円程度の会費がかかりますが、保証協会へ加入しなければ、こういった経費はかかりません。 |
3.同業者との付き合いはしなくてもよい
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保証協会へ加入すると研修参加の義務や総会への参加、時には役員などを引き受けなければならない場合もありますが、営業保証金を供託する場合には、こういった同業者との付き合いとは無縁です。 |
4.都道府県の審査後、すぐに開業できる
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保証協会へ加入する場合には、都道府県への免許申請後、加入手続きをする必要があり、都道府県の免許通知後も入会面接や入会金の支払いなどで2週間〜1カ月程度は時間がかかります。
これに対し、営業保証金の供託をする場合には、都道府県の免許通知後、営業保証金の供託をすればすぐに開業できるため、保証協会加入よりも早く営業を始めることができます。 |
5.廃業後は全額取り戻しをすることができる
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不動産業を廃業する場合には、差押え等をされていない限り、営業保証金の全額を取り戻すことができます。 |
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保証協会は宅地建物取引業保証協会と不動産保証協会と2つの団体がありますが、基本的には受けられるサービスに違いはありません。
1.加入時の費用を抑えられる
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開業時には資金の余裕がないのが通常です。
保証協会へ加入する場合には、営業保証金の供託と比べ、5分の1程度で済むため資金の負担は少なくなります。
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2.会費などのコストがかかる
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保証協会へ加入すると入会金以外に毎年5〜6万円程度の会費がかかります。 |
3.会員向けのサービスが受けられる
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保証協会へ加入すると会員向けのいろいろなサービスを受けることができます。
主なサービスは、
(1)売買契約書や重要事項説明書などの各種書式の利用
(2)不動産物件情報(レインズ)の利用
(3)法改正や業界の情報など最新の情報の入手
(4)トラブル時の相談
などです。 |
4.同業者との付き合いは必要
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保証協会へ加入すると研修参加の義務や総会への参加、時には役員などを引き受けなければならない場合もあります。
もちろん、こういったお付き合いから仕事の紹介や有益な情報の入手をできたりする場合もありますので、必ずしもデメリットという訳ではありません。 |
5.都道府県の審査後、開業までに時間がかかる
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保証協会へ加入する場合には、都道府県への免許申請後、加入手続きをする必要があり、都道府県の免許通知後も入会面接や入会金の支払いなどで2週間〜1カ月程度は時間がかかります。
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6.廃業後は取り戻しをすることができるのは60万円のみ
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不動産業を廃業する場合には、取り戻しをすることができるのは、支払った入会金のうち、保証金分担金にあたる60万円のみです。 |
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いかがでしょうか?
両手続き共にそれぞれメリット、デメリットがあります。
不動産業は、売主、買主の紹介や物件の情報、法改正や業界の動向など同業者との繋がりがかかせません。営業保証金の供託をする場合には、こういった情報をすべて1人で確保しなければなりません。
個人的には、資金的に余裕があったとしても、保証協会への加入をおすすめします。
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